プレスリリース

IBM Apptio、AI およびハイブリッド IT への投資の可視化機能を強化

アプリケーション移行による財務影響を可視化する「IBM Apptio Hybrid IT Total Cost of Ownership (TCO) Impact」を一般提供開始

AI に関するコスト、利用状況、価値、ROI を可視化する「IBM Apptio AI TCO & Usage」を一般提供開始

米国ワシントン州ベルビュー – 2025 年 6 月 5 日(現地時間)– IBM グループ企業のApptioは本日、AI およびハイブリッド IT への投資による ROI の最大化を支援する 2 つの新機能「AI TCO & Usage」と「Hybrid IT TCO Impact」の提供開始を発表しました。これらの新機能は、組織全体でハイブリッドおよびマルチクラウド戦略を統合的に管理できるよう設計されています。

「AI TCO & Usage」により、AI 施策にかかる支出とパフォーマンスを継続的に可視化し、ビジネス価値を向上します。また、「Hybrid IT TCO Impact」は、ハイブリッド環境におけるアプリケーション移行による財務影響を可視化します。これらの新機能は、IT ファイナンス管理、FinOps、戦略的ポートフォリオ管理を網羅する TBM(Technology Business Management)の方法論を実践する SaaS ソリューション群に加わります。これらのソリューションは、IT 戦略をビジネス価値や成果と結びつけることを目的として、統合的に設計されています。

多くの組織において AI 投資への戦略的な重要度が高まる中、IBM が実施した調査「CEOスタディ」では、期待した ROI を得られたと回答した CEO はわずか 25%にとどまっています。AIの効果を最大化するには、コストや使用状況だけでなく、想定される価値や ROI の可視化が不可欠です。「AI TCO & Usage」はこうしたニーズに応え、発生中のランニングコスト、利用状況の可視化を通して、 AI 施策の状況把握と最適化を支援し、データに基づいたビジネス上の意思決定を実現します。

別の調査では、73%の企業が AI 導入においてハイブリッドクラウドを活用しており、ROIの可視化はますます重要性を増しています。FinOps チームは、IT ファイナンス管理チーム、TBM 推進チームと連携し、投資状況をより明確に把握するとともに、ハイブリッドIT 環境におけるコストの増大やリソースの浪費リスクを抑える取り組みを強化しています。

コストの把握における盲点を解消できるよう、「Hybrid IT TCO Impact」は包括的なコストの可視化機能を提供します。環境全体のアプリケーションの TCO やユニットコストを把握し、変化し続ける移行のニーズに応じて戦略を調整することで、コスト削減と効率化を実現します。

Apptio の最高製品責任者である Eugene Khvostov は、次のように述べています。「これらのソリューションは、TBM の実践における重要な課題を解決するべく開発されており、組織がより俊敏性を高めて、クラウドや AI の環境の急速な変化に柔軟に対応できるようにすることを目的としています。『AI TCO & Usage』は、AI における ROI の課題を解決するために設計されており、『Hybrid IT TCO Impact』は、ハイブリッドクラウド戦略全体を担うテクノロジー意思決定者を支援するために開発されました。どちらのソリューションも、IT コストの可視化や IT によるビジネス価値の最大化を含む業界の喫緊のニーズに応えるものであり、市場に提供できることを大変嬉しく思います」

「AI TCO & Usage」は、AI 施策全体の総コストとビジネス価値を把握し、支出の最適化、成果の測定、および導入拡大を支援します。状況を明確に把握することで、より的確な投資判断が可能となり、ソリューションの導入促進や全社的な AI による効果の最大化につなげることができます。

さらに、以下のような活用が可能です。

  • AI 投資のライフサイクルを通じて、AI モデルおよびソリューション全体に関わる発生中のコストと利用状況を可視化し、説明責任を果たせます。
  • AI に関わる TCO の傾向や異常値を継続的に監視し、クラウド、ベンダー、人件費といった細かなコスト要因の可視化を通じて、各事業部における AI の導入状況と利用状況を明らかにすることで、AI の乱立状態(スプロール)を未然に防ぎます。
  • ユニットコストを用いて AI 投資のビジネス価値を評価することで、より的確な AIの導入拡大の意思決定ができ、組織全体での主体的なコスト意識を持った AI 利用とショーバック(配賦額の可視化)を実現します。

「Hybrid IT TCO Impact」は「IBM Apptio Costing」で利用可能なソリューションで、ITインフラのハイブリッド化が進む中でのアプリケーション移行の財務影響を可視化します。主な特徴は以下の通りです。

  • 財務の透明性:
    ハイブリッド IT 環境全体のコストの変化や ROI を把握し、アプリケーション移行による財務的な影響を明らかにします。この情報をもとに、クラウドとオンプレミス間のコストバランスを最適化できます。
  • 一元管理:
    オンプレミス、プライベートクラウド、パブリッククラウドの全体像を単一のビューに統合し、ハイブリッド IT 環境を横断的に可視化します。
  •  包括的なインサイト:
    アプリケーション移行の進捗状況を明確に把握することで、組織全体のクラウド戦略や財務目標との整合性を確保できます。

IDC 社のインテリジェント CloudOps および FinOps 担当リサーチバイスプレジデントである Jevin Jensen 氏は、次のように述べています。「クラウド環境の複雑化と AI への投資拡大により、IT コストの最適化はますます困難な課題となっています。継続的に変化する状況に対応し、より先を見据えた計画を立てるた
めには、パブリッククラウドとハイブリッドクラウドの両方における TCO 機能が必要です。」

「Hybrid IT TCO Impact」と「AI TCO & Usage」は、いずれも本日時点で提供を開始しています。詳細は、Apptio Innovation Hub をご覧ください。

当報道資料は、2025 年 6 月 5 日(現地時間)に Apptio, an IBM Company が発表したプレスリリースの抄訳をもとにしています。原文はこちらをご参照ください。